提言・論考
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「覇権国」アメリカの軌跡と課題

村田晃嗣

はじめに

国際政治学の世界で「覇権」が盛んに議論されるようになったのは、1970年代末であり、アメリカの覇権が揺らぎ出した頃である。ロバート・コヘインとジョセフ・ナイによれば、覇権システムとは、「一国が国家間関係を律する基本的なルールを維持できるほど強大で、なおかつ、そうする意志がある」状態である。 i もとより、アメリカとて常にそのような力と意志を共有していたわけではない。19世紀末に、アメリカは世界一の経済力を持つに至ったが、軍事力は貧弱であった。アメリカが経済力に呼応する軍事力を備え、しかも、国際的なルールを維持する覚悟を決めたのは、第二次世界大戦末期のことである。冷戦が終わると、アメリカは「単極の瞬間」を経験したが、「冷戦コンセンサス」が溶解したため、ルールや秩序を維持する意志の確保がむずかしくなった。さらに21世紀に入ると、アメリカが中心になって築いてきたリベラルな国際秩序の動揺が、再び真剣に語られるようになった。 ii

周知のように、国際政治は力の体系、利益の体系、価値の体系の複合だと、高坂正堯は論じた。 iii 価値を基軸に力や利益で補完すれば、近年で言うところのソフト・パワーを発揮できよう。さらに、近年では、こうした国際政治の「三位一体」に、科学技術が一層大きな影響を与えるようになってきた。

そこで本稿では、まず、「覇権国」としてのアメリカの歩みを上述の「三位一体」と内政との複合的な観点から辿ってみる。その上で、ポスト冷戦の時代を超えて大国間競争が語られるようになった今日、アメリカの「覇権」にどのような変化が生じており、さらに今後、アメリカがどのような課題を抱えているのかを検討してみたい。

冷戦期

第二次世界大戦が終わる頃、アメリカは世界のGDPの半分、通貨保有量の8割を占めていた。1945－49年には、アメリカは核兵器も独占していた。また、50年に朝鮮戦争が勃発すると、アメリカは国防予算を急増させた。しかも、アメリカは海外に多くの同盟国を抱え、軍事基地を擁していた。さらに、アメリカは国際連合をはじめ世界銀行や国際通貨基金を創設し、主導した。

対するソ連は、戦火で国土を荒廃させ、2000万人の戦死者を出していた。そのため、東ヨーロッパの占領地域で搾取に努めなければならなかった。それを可能にしたのが、ヨーロッパでのソ連の通常戦力の優位である。また、ファシズムと戦い抜いた共産主義のイデオロギーは、それなりの正当性と支持を有していた。このように米ソを比べると、アメリカは利益の体系では圧倒的な優位を、力と価値の体系では相対的な優位を保持していたと言える。

しかも、戦間期の孤立主義への反省から、アメリカはそうした優位を活用して、自国と同盟・友好諸国に望ましい国際環境を保持する覚悟を示していた。ディーン・アチソン国務長官の回顧録のタイトルが『創造に立ち合って』(Present at the Creation )であることは、象徴的である。 iv

だが、アメリカの優位は相対化されていった。世界のGDPに占めるアメリカの割合も、1960年には4割、70年には3割と低下していった。西ヨーロッパや日本が復興、発展した、成功の帰結である。他方、共産圏は地理・人口の双方で拡大したし、60年にソ連のGDPは西ドイツと同じ、中国のそれはフランスに匹敵した。また、62年のキューバ危機を受けて、ソ連は核戦力の大幅な増強にも乗り出した。さらに、米ソ両国は、経済的には弱体だが豊かな人口を抱える第三世界で、影響力を競い合った。64年にアメリカが公民権法を制定して国内の人種差別克服に乗り出した理由の一半も、第三世界でのイメージの向上にあった。だが、アメリカはベトナム戦争の泥沼に陥り、71年にはドルと金との交換停止に追い込まれた。国連でも、発展途上国の加盟が増えるにつれて、アメリカの影響力は相対化されたし、国内での暗殺や暴動、スキャンダルは、アメリカの民主主義的価値を損ねた。国際政治の「三位一体」で、アメリカは総じて力を消耗しつつあった。碩学の永井陽之助ですら、この頃に「解体するアメリカ」を論じていた。 v

ソ連も1968年のプラハの春に軍事介入して国際的イメージを害し、経済でも70年に対米4割のＧＤＰだったのをピークに、長期的な衰退に陥った。その上、ソ連は中国とも対立し、79年にはアフガニスタンに軍事介入してベトナム戦争の二の舞いを踏む。

このように、米ソ両国が国力を損耗する中で、失われたものへの郷愁のごとく、覇権安定論が語られるようになった。米ソの核戦力がほぼパリティーになり、ソ連の拡張主義からデタントが崩れて新冷戦に至り、米中ソの戦略的三角形が流動化していた。ただし、アメリカは自らの指導力(command)が低下するにつれて、先進国首脳会議（今日のG7）や民間の三極委員会などを活用して同盟諸国からの同意(consent)調達にも努めてきた。

1981年にロナルド・レーガン大統領が登場し、「強いアメリカ」「丘の上の輝く町」を説いて、力と価値の体系でアメリカの復権を図った。ただし、利益の体系では、貿易赤字と財政赤字という「双子の赤字」が膨らんでいった。ソ連でも、85年にミハイル・ゴルバチョフが登場し、ペレストロイカとグラスノスチを大胆に進めた。しかし、ソ連はＧNPの5－6％を国防費に充てながらアメリカとの軍拡競争に勝てず、経済は疲弊し、改革とともに社会主義の魅力は色褪せていった。89年11月9日には、ベルリンの壁が倒壊し始めた。東側の崩壊により、冷戦は終わりを告げた。91年にソ連が解体した時、ソ連のGDPはアメリカの13％にまで縮小していた。「20世紀最大の地政学的悲劇」（ウラジミール・プーチン）は起こるべくして起きたのである。

冷戦の終焉は、アメリカの「封じ込め」戦略の長期的成功と言えるが、根本的にはソ連の敵失による。国際政治の「三位一体」で両国とも多くを喪失したが、ソ連の喪失の程度の方が大きかったのである。冷戦期の前半には、アメリカは覇権国としての余裕を示していたが、後半にはその余裕を失った。それでも、ソ連からの挑戦がアメリカと同盟諸国の意志を繋ぎ、ソ連の失敗がアメリカを力の枯渇から救ったのである。同様のことが、今後の米中関係に生じようか。

ポスト冷戦期

冷戦が終わる頃に発生した大規模な地域紛争が、湾岸戦争である。イラクのサダム・フセインが隣国クウェートを侵攻し併合すると、アメリカのG.H.ブッシュ政権は国連安保理決議678号を取りまとめ、多国籍軍を主導してイラクをクウェートから放逐した。同政権は、アメリカ国内でも連邦議会から武力行使を容認する決議を獲得していた。しかも、多国籍軍の戦死傷者数は500人にすぎなかった。外交、軍事、内政で、G.H.ブッシュ政権は完勝したといえる。ブッシュは侵略の阻止、大国間協調、国連重視を三大原則とする「新国際秩序」を提唱した。

だが、この完勝ゆえに、1990年代のアメリカは戦死傷者を極端に恐れ、「ゼロ・カジュアルティー」に固執するようになる。

ソ連の崩壊で、アメリカは大国間協調のパートナーを失い、唯一の超大国になった。ほどなく、日本のバブル経済も破綻した。だが、アメリカは新たに多くの課題に直面することになった。第一に、同盟諸国内、そして、アメリカ国内でも冷戦コンセンサスが溶解した。第二に、ソ連圏の消滅により経済や情報のグローバル化が進み、結果として、アメリカを含む多くの国々で貧富の格差が拡大した。第三に、移民の流入や通信情報技術の発展により、アメリカ社会が細分化され、政治的な分極化が進んだ。そして第四に、ビル・クリントン大統領（1946年）の登場に見られるように、アメリカの指導層に世代交代が生じた。クリントン、G.W.ブッシュ、ドナルド・トランプは同い年であり、4歳年上のジョー・バイデンを含めて、ベトナム従軍経験をもたない。彼ら「ベビーブーマー」世代は、戦後秩序の「創造に立ち合って」はいない。

こうした変化のため、アメリカは冷戦後の多くの地域紛争に有効に対処できなかった。しかも、アメリカはNATOの東方拡大を進めてロシアに不安を抱かせる一方、経済的に台頭する中国には積極的な関与政策を採った。

21世紀が始まる頃、世界経済に占めるアメリカのGDPの割合は25％程度になっていたが、それでも2位の日本の2倍以上、3位のドイツの5倍であり、中国の8倍近く、そして、ロシアの32倍であった。また、その軍事技術は突出しており、その軍事費はアメリカ以下の上位10カ国の合計をはるかに上回っていた。だが、その力の優位の故に、アメリカは発展途上国を中心に強い反発を惹起していた。

アメリカ国内の亀裂も深まり、2000年の大統領選挙でG.W.ブッシュは「マイノリティ大統領」（一般得票数で敗れるも、選挙人獲得数で勝利）となった。また、社会も多様化し、総人口に占める白人の割合は、80年の83％から2000年には75％に後退していた。

そこで、ブッシュ新政権は内にあっては「思いやりのある保守主義」、対外的には「思いやりのある国」を標榜した。しかし、2001年9月11日の同時多発テロに直面して、ブッシュのアメリカは「テロとの闘い」に邁進していった。アフガニスタン攻撃後に、ブッシュ大統領がイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、大量破壊兵器の製造と備蓄を理由にイラク攻撃を計画すると、アメリカの単独主義への危惧が高まった。主要な同盟国の間でも、イギリスは賛成し、仏独は反対に回った。国連安保理決議1441号の解釈も様々であった。

それでも、アメリカは開戦し、もちろん圧勝した。しかし、決して完勝ではなかった。まず、イラク全土を占領しても、大量破壊兵器の備蓄は発見できなかった。また、米軍の死者数も4600人、負傷者は3万２000人と、湾岸戦争とはけた違いであった。

ベルリンの壁の崩壊（1989年11月9日）から同時多発テロ（2001年9月11日）の時期、そして、湾岸戦争の終結（1991年）からイラク戦争の勃発（2003年）までの時期は、いわば「二重の戦間期」であった。 vi この時期こそ、アメリカが「新国際秩序」の「創造に立ち合って」、冷戦の前半のような覇権国になれる好機であったろう。だが、この好機を活用するには、指導者たちは未熟であり、内政にも引きずられた。「単極構造と市場主義による調和幻想（ユーフォリア）があるだけで、協調への戦略が欠けていた」との指摘もある vii 。また、「テロとの闘い」のために、アメリカは中国やロシアを十分に警戒することもできなくなった。米中ロそれぞれが、戦後のリベラルな国際秩序の動揺に貢献した。のちには、EU離脱でイギリスもこれに加わる。

さらに、2008年9月15日にはリーマン危機に遭遇して、ブッシュ政権は退陣していった。アメリカは再び、国際政治の「三位一体」で力を低下させていった。史上初の黒人大統領バラク・オバマの登場は、アメリカの変化を期待させた。対外的には、オバマ政権はブッシュ時代の単独主義から国際協調路線への転換を演出してみせた。だが、オバマの登場は国内の保守派を刺激し、分極化はさらに進んだ。また、オバマは価値の体系ではアメリカのイメージ向上に寄与したものの、利益の体系ではリーマン危機の処理に悩まされ、力の体系では軍事力の行使にきわめて抑制的であった。アメリカは世界の警察官ではないと、彼は明言した。そこには、内向きの単独主義が潜んでいた。

2010年には、中国はGDPで日本を抜き世界第二位の経済大国になった。アメリカの期待に反して、中国は民主化することなく、国際社会で「責任ある利害当事者」として振舞おうともしなかった。12年には習近平が政権に就き、「中華民族の偉大な復興の実現」を語り、拡張主義的な政策を採り始めた。同年には、ロシアでもプーチンが大統領に復帰した。中国の急速な台頭から、14年にはオバマ政権は「アジア・リバランス」を提唱した。他方、ロシアは米欧への協調姿勢を振り切り、「アジア・リバランス」の間隙を突いて、クリミアを併合した。ここに、中ロがアメリカに敵対する国際政治の構図が浮かび上がってきた。

こうした状況へのアメリカ国民の答えが、ドナルド・トランプであった。トランプはリベラルな国際秩序を嘲笑し、同盟関係や勢力均衡にも無関心で、「アメリカ・ファースト」を唱えた。また、SNSを巧みに用いて、国内の政治的分極化を推し進めた。トランプはオバマ政治を否定したが、内向きの姿勢、介入疲れには共通点があった。また、トランプは短期的な経済的利得にのみ敏感に反応したが、それ故、中国を敵視することになり、勢力均衡の論理に乗った。さらに、コロナ禍が拡大し再選が迫る中で、トランプの対中姿勢はますます厳しいものになっていった。

2020年の選挙で、バイデンは僅差でトランプを破ったが、トランプ派は連邦議会議事堂襲撃事件を引き起こした。バイデンは再び同盟重視の外交に舵を切ったが、対中強硬姿勢ではトランプ政権に通底している。つまり、アメリカは内戦と冷戦の危機に同時に直面している。また、バイデンは内向きの姿勢もオバマ、トランプから継承しており、21年にはアフガニスタンから拙速に米軍を撤退させた。すると、翌年2月にプーチンはウクライナを侵攻したのである。 viii

大国間競争の時代――「覇権国」の行方

ここにポスト冷戦の時代は終わり、米中ロ、さらには新興のインドなどからなる大国間競争の時代が始まった。

リベラルな国際秩序の混乱が語られる今日は、覇権安定論に注目の集まった1970年代に似ているかもしれない。 ix

まず、1970年代には、アメリカは国際政治の「三位一体」で力を低下させており、冷戦前半のような意味での覇権国ではなく、限定的な「覇権国」になっていた。今日のアメリカも、「二重の戦間期」に覇権国に復権する好機を逃し、能力と意図の双方できわめて限定的な「覇権国」にすぎない。当時も今も、アメリカは長い戦争（ベトナム戦争とアフガニスタン、イラク戦争）を経て、介入疲れを呈している。

また、1970年代には米中ソの戦略的三角形が激変し、ソ連が挑発的な政策を採ったことから米ソの新冷戦が発生した。今日も、米中ロの戦略的三角形に変化が生じている。ただし、アメリカに不利な方向での変化である。また、このまま米中の対立が激化すれば、冷戦に似た事態に陥ろう。しかし、中国のGDPはアメリカの7割を超えており、かつてのソ連よりもはるかに手ごわい。しかも、今日では科学技術が国際政治の「三位一体」に大きな影響を与えるため、中国がこれを活用してアメリカに優位に立つ可能性すらある。少なくとも、核戦力の分野では、米ロの二極構造から米中ロの三極構造に移行しよう。だが、ソ連とちがい、今日の中国はグローバル経済の中心に位置しており、米中の対立には制約がある。さらに、中国は特定のイデオロギーや生活様式を世界に輸出しようとはしていない。むしろ、アメリカのほうがイデオロギー的であろう。

さらに、当時も今も、政府やエリートに対する国民の不信が高まっており、政治的な分極化が進んでいる。リチャード・ニクソンは弾劾を前に辞任し、トランプは二度も弾劾され、今また多くの訴訟を抱えている。また、その後の指導者が和解を説きながら、強いリーダーシップを発揮できていない点も共通である。1970年代のジェラルド・フォードもジミー・カーターも短命の弱い大統領であったし、バイデンもそうなる可能性が少なくない。

では、アメリカが限られた「覇権」を維持し、米中冷戦を緩和するには、どうすればよいのか。

まず、同盟諸国との公式・非公式の同意調達に努め、それをグローバル・サウスに拡大しなければならない。冷戦期の発展途上国よりも、今日のグローバル・サウスのほうが、はるかに大きな経済力を持ち、さらなる潜在力を有している。世界経済に占める途上国の割合は、1990年に20％であったものが、今日では40％である。彼らにとって、中国のほうがより安易な同伴者たりえようが、グローバルな諸課題に向き合うには、アメリカとその同盟諸国のほうがより安定し信頼に足る同伴者であることを、説得しなければならない。中ロが語る多極構造は弱肉強食の世界であり、アメリカとその同盟諸国は力と利益と価値の共有を求めている。そう説得するためには、グローバル・サウスの多様な声に耳を傾けなければならない。そこで日本の果たす役割は大きい。

また、アメリカは中国やロシアと常に一定のコミュニケーション・チャネルを維持し続けなければならない。あるいは、それは長い「陰気なデタント」になるかもしれない。1970年代のソ連脅威論が嘘のように、ソ連帝国は1991年にあっけなく崩壊した。中国の経済成長も鈍化しており、その合計特殊出生率は1.3にまで落ち込んでいる。他方で、アメリカの人口は2100年には4億人に達する見込みである。われわれは「強い中国」の脅威のみならず、「脆い中国」の脅威も分析し、それに備えなければならない。

さらに、こうした外交努力を内政に連動させる工夫が必要である。長い「陰気なデタント」や大国間競争の時代を走り抜くには、国内の団結と安定が不可欠である。また、それなしに価値の体系での復権もない。ウクライナの戦後復興についての国際協力は、新たな「創造への立ち合い」であり、あるいは、アメリカの民主主義にとっても「リハビリ」効果を持つかもしれない。

もとより、アメリカの政治的な分極化は深刻だが、過度に悲観すべきでもない。トランプという特殊な政治的個性が去れば、あるいは、彼の属するベビーブーマー世代が退場すれば、政治的景観はどう変わろうか。今や、アメリカの人口に占める白人の割合は、61％にまで低下している。白人のキリスト教男性層が「マジョリティ・マイノリティ」であることを受容する日は来ようか。また、かつての新聞、ラジオ、テレビと同様に、SNSと政治との安定的な関係を見出すことは不可能であろうか。

こうした諸課題に向き合うには、国際競争力や地域研究、次世代の人材育成が重要であり、いずれも大学が果たすべき役割は大きい。

歴史上、アメリカの衰退は繰り返し議論されてきた。しかし、その都度、アメリカはそれなりの復活を果たしてきた。だから今回も復活するのだという議論も、いや、今度こそ決定的に違うのだという議論も、何度も繰り返されてきた。トランプに類したポピュリストの台頭も、ベトナム戦争やイラク戦争のような介入の失敗も、アメリカ史で繰り返されてきた。あるいは、マーク・トウェインが言うように、「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」のであろうか。

冒頭で引いた高坂は、その著書を次の文章で結んでいる。「われわれは懐疑的にならざるをえないが、絶望してはならない。それは医師と外交官と、そして人間のつとめなのである」。 x アメリカの行方を考えるに当たっても、これは至言であろう。

（同志社大学教授）

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