提言・論考
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豪州の安全保障観と「アジアの脅威」

佐竹知彦
防衛研究所主任研究官

はじめに

豪州の安全保障観や脅威認識について考える際、その地理的特性に触れないわけにはいかない。大陸国家でありながら四方を海で囲まれ、他国と国境を接しない豪州は、温暖な気候に恵まれ、石炭や鉄鉱石をはじめとした豊富な天然資源を有し、世界の様々な問題から距離を取ることのできる「幸運な国家」と呼ばれてきた 1。その一方で、少ない人口で（日本のおよそ20倍もの広さをもつ）広大な国土をいかに守るかという問題は、1788年の入植以来豪州に住む人々を悩ませてきた 2。

また南半球の最果て（しばしば「ダウンアンダー」と称される）に位置する豪州は、常に世界や地域の動きから孤立することへの恐怖感を抱いてきた。その結果、第二次大戦前は英国、そして大戦後は米国という「偉大で強力な友邦」（ロバート・メンジーズ首相）との緊密な関係を維持するとともに、国際機関や地域諸国への積極的な外交政策を展開してきた。

欧州にルーツを持つ豪州はまた、伝統的に「アジアの脅威」に悩まされ続けてきた。古くは19世紀半ばのゴールドラッシュ時に爆発的に増えた中国系移民、20世紀初頭から台頭した日本の脅威、そして冷戦期の前半は中国、潜在的にはインドネシアといった国々の脅威への対応が、豪州の国防関係者の中心的な課題であった。その後1972年の米中和解により、豪州の脅威認識は著しく低下したものの、近年の中国の台頭により、「アジアの脅威」が豪州の中で再浮上している 3。

そこで本稿では、第二次大戦後の豪州がアジア、特に中国からの脅威をどのように認識し、それにどのように対応してきたのかを、４つの時期（①第二次大戦後〜米中和解、②米中和解〜冷戦終焉、③冷戦後〜2000年代、④2000年代後半〜現在）に分けて振り返ってみたい。それにより、豪州の安全保障観と脅威認識の特徴を浮き彫りにすることが、本稿の狙いとなる。

１. 第二次大戦後〜米中和解

第二次大戦後しばらくの間、豪州の安全保障上の懸念は日本軍国主義の復活にあったものの、アジアにおける冷戦が本格化すると、その対象は日本から中国へとシフトした。1949年10月の中国共産党政権の誕生後、豪州国内では英国に倣い中国を承認することも検討されていた。ところが、その後の中ソ友好相互援助条約の締結、朝鮮戦争への中国軍の参戦、そしてインドシナ戦争における中国の対ベトナム支援などを受け、豪州は中国に対する警戒心を強めた 4。自由党のメンジーズ首相は、中国の共産主義と拡張主義が豪州の脅威であることを明言し、中国を豪州にとっての「潜在的な侵略者」と位置付けた 5。こうした豪州の対中脅威認識は、1950年代後半から表面化した中ソ対立の激化や、60年代の文化大革命運動によって、さらに強められた。

そこで豪州がとった戦略が、米英と共に地域紛争に積極的に介入し、豪州に対する脅威を遠方で未然に封じ込めるという「前進防衛（forward defence）」である。同戦略の下、豪州は朝鮮戦争、マラヤ危機、そしてベトナム戦争に軍隊を派遣し、英国や米国と肩を並べて共産主義と戦った。そうした豪州の貢献は、多分に対米同盟の管理という側面もあったが、同時に豪州が地域における共産主義の脅威を深刻に懸念していたことも、また事実であろう。メンジーズ首相は、中共が東南アジアにおいて覇権を求め、ベトナムをその「傀儡」にしようとしていることを主張した 6。

1965年4月にベトナムへの戦闘大隊の派遣を表明したメンジーズ首相は、中共による南ベトナムへの侵攻は、インド洋と太平洋の間を「突き進む（thrust）」一環であるとの見立てを示し、軍の派遣を正当化した 7。その後も豪州軍は増派を重ね、1967年10月までにその規模は8000名（合計では50000名以上）までに上った。豪州はまた、東南アジアにおける反共の軍事機構である東南アジア条約機構（SEATO）に加盟し、その活動に積極的に貢献した 8。

このように、メンジーズ政権は中国の脅威を強調する一方で、対中政策において米国とは異なる側面も有していた。例えばメンジーズ首相は、金門・馬祖島の中国への返還を秘密裏に支持し、米国の求める台北への大使館の設置を拒んでいた 9。メンジーズ政権はまた、「二つの中国」の承認に関心を示していた（その後ベトナム戦争の激化に伴い豪州は「二つの中国」政策を放棄し、1966年には台湾に大使館を樹立した） 10。

さらにメンジーズ政権は、1950年代より民間主導の対中貿易を実質上容認した。その結果小麦や羊毛を中心とした中国との貿易は順調に伸び、1965年までに、中国は英国、日本、そして米国に次ぐ豪州の4番目の輸出相手国となっていた 11。冷戦後にトニー・アボット首相が「恐れと利欲（fear and greed）」と表現した豪州の対中観は、この時期既にその原型を示していたのである。

２. 米中和解〜冷戦の終結

1960年代末より、米国で対ベトナム政策の見直しを求める声が強まる中で、豪州でも冷戦期の前進防衛戦略を見直す声が出始めていた。特に野党の労働党は、ベトナム戦争に対する中国の影響力が限定的であるとの見立てから、ベトナム戦争からの豪州軍の撤退を主張した。1968年の英国のスエズ撤退や、1969年のニクソン大統領による「グアム・ドクトリン」の発表は、こうした労働党の主張を後押しした 12。

労働党党首のゴフ・ウィットラムは世界が多極化していくとの見通しの下、そこにおける中国の潜在的な能力を高く評価していた 13。1971年5月に中国の招待を受けて訪中したウィットラムは、周恩来とも面会している（同じ時期、米国家安全保障補佐官のヘンリー・キッシンジャーが北京を秘密裏に訪問していた）。その後、1972年2月のニクソンの訪中により米中和解が行われると、同年12月に豪州の首相となったウィットラムは即座に中国共産党政権を承認し、中国との国交を正常化した。

このように、豪州の対中政策は米中和解以前から見直しが図られていたものの、豪中の国交正常化は米中和解無しには達成し得なかったことも、また事実であろう。特に米中和解によって中国が地域における米軍のプレゼンスとANZUS条約を実質上承認したことは、豪中関係の改善にとって決定的に重要な意味を持った。これにより、豪州は緊密な米豪同盟の維持と、中国との関係改善を矛盾なく進めることが可能になったからである 14。

その結果、豪州と中国の関係は経済、政治、そして軍事面においても発展した。1973年に１億5800万豪ドルであった中国との二国間貿易は、1984年に10億豪ドルを突破した 15。また1978年には民間の交流団体である豪中会議が発足するなど、人的交流や文化面での交流も促進された 16。1981年に豪州は西側諸国の中で最初の対中援助供与国となったほか、同年には豪州海軍の護衛駆逐艦が上海の港湾にも寄港するなど、両国の防衛交流も限定的ながら開始された 17。

このように、米中和解以降の中国との関係改善に伴い、豪州にとっての直接的な脅威は著しく低下した。ウィットラム首相は見通しうる将来において豪州の脅威は存在しないとの見方を示し、従来の「前進防衛」戦略から、豪州本土の防衛に焦点を合わせた「大陸防衛（continental defence）」戦略への転換を図った。またウィットラム、そして次のマルコム・フレーザー政権は、豪州の対外政策の自立性を重視し、米国に依存しない「自助防衛（defence self-reliance）」の強化を主張した。

こうした方針は、1986年にフレーザー首相の委託によって作成され、その後の豪州の国防政策にも大きな影響を与えた「豪州の国防能力の見直し」（通称「ディブ・レポート」）によって、より体系的に示された。ディブ・レポートは、「世界の最も安全な国家の一つ」である豪州が、喫緊の脅威にさらされておらず、それ故に自助防衛に向けた戦力の構築が可能であるとの立場をとった 18。同レポートはまた、豪州が深刻かつ直接的な脅威に直面するまでには、少なくとも10年の警戒期間が存在するとの見通しを示した 19。

そのことは、必ずしも米豪同盟の重要性が低下したことを意味するものではない。むしろ、レポートは豪州の防衛にとって不可欠な防衛技術の向上や情報面での協力、そして地域の安定化のために、米豪同盟の継続的な重要性を強調していた。レポートはまた、インドネシアと豪州の間の近接地域（Sea-Air Gap）で豪州が適切な「拒否力」を維持すると共に、特に東南アジアや南太平洋といった近隣地域の安定化に豪州が貢献すべきことを主張していた 20。こうした安定的な戦略環境があって、初めて豪州の「自助防衛」が成り立つものとされたのである。

３. 冷戦後〜2000年代

豪中の緊密な関係は、冷戦後も続いた。1989年6月の天安門事件に際し、時のホーク政権は欧米諸国に倣い中国に制裁を課す一方で、対中関係を根本的に壊すことのないよう慎重な配慮を怠らなかった 21。その結果防衛交流や防衛装備品の輸出等を除き、豪州の対中制裁は1991年初頭に解除された。労働党のボブ・ホーク首相は、鄧小平の改革開放路線が中国を根本的に変化させることに強い期待を寄せており、中国の地域への建設的な関与を重視していた 22。

その後、中国の経済成長と軍事力の拡張が進むにつれ、中国の台頭に対する警戒心が豪州の中でも徐々に広まっていった。1994年の国防白書では、中国が今後10年間で「地域における戦略的な問題にもっとも強力で新たな影響を及ぼすであろう」との見方が示されていた 23。同年ポール・キーティング首相は、豪州が中国から恐れることは何一つないものの、「我々は中国の軌道には乗りたくない」と発言し、豪州の秩序観と中国のそれとが異なることを暗に示した 24。1995年から96年にかけて発生した台湾海峡危機も、豪州の対中警戒感を強めるきっかけとなった。

それでも、1990年代、そして2000年代の大半においても、中国は豪州にとっての「脅威」ではなかった。キーティング、そして次のジョン・ハワード首相は、共に中国を豪州の望ましい形で国際社会に関与させていくことが可能と考えていた。その前提には、中国国内の近代化や民主化に対する楽観的な見通しに加え、冷戦期前半における中国に対する「封じ込め」政策が「失敗」に終わった苦い経験もあった 25。

何よりも、圧倒的な国力を有する米国が地域への関与を維持する限りにおいて、また米中が相対的に安定的な関係を維持する限りにおいて、地理的にも離れた中国は豪州にとっての「脅威」になり得なかった。豪州の国防関係者には確かに中国が将来的に米国の地域覇権に挑戦することを予測するものもいたが、それはあくまでも遠い将来の「可能性」として捉えられていたのである 26。

そこにおいて豪州がとった選択とは、米豪同盟を通じて維持される強固な米軍の地域プレゼンスの下で、経済面を含む中国への関与を強化するという「二股」路線であった。ハワード政権は、米国主導の「テロとの闘い」への積極的な貢献を通じて、地域における強固な米軍の維持を図った。同時に、中国への積極的な関与政策により、主として経済面での関係強化を目指した。その結果2004年から05年にかけ、中国はアメリカを抜いて豪州の最大の輸入相手国に、そして2007年には、輸出・輸入を合わせて日本を抜き、豪州の最大の貿易パートナーとなった。

その中で、豪州は安全保障面における米国、そして経済面における中国に対する「二重の依存」を深めていくことになる。実際、冷戦期には一時期GDP比5％近くまであった豪州の国防費は、冷戦後には2％以下にまで低下した。その間、豪州の実質GDP成長率は3％以上、多いときには5％以上を記録した。その背景に、中国の成長に伴う同国の高い資源需要があったことは言うまでもない。それはまさに、豪州にとっての「幸福な時代」に他ならなかった 27。

4. 2000年代後半〜現在

豪州にとっての「幸福な時代」は、2000年代後半以降米中間の「パワーシフト」が顕著になるにつれ、徐々に終焉していくことになる。世界金融危機後の2009年に発表された豪州の新たな国防白書は、世界がより「多極化」に向かっているとの認識を示しつつ、中国の急速な軍事力の近代化と透明性の欠如に強い警鐘を鳴らした 28。こうした認識のもと、白書は「戦力2030」と呼ばれる海軍力を中心とした大幅な国防力増強計画を発表した。

この頃から豪州では、米中のパワーシフトが進むにつれ、豪州がやがては米中いずれかの間で「選択」を迫られるという議論をめぐり、様々な論争が繰り広げられるようになった 29。豪州政府は、そうした悲観論を全面的に否定し、緊密な米豪同盟の維持と豪中関係の発展が両立可能であるとの立場を維持した。2013年に労働党政権の下で発表された国防白書では、前白書で見られた中国への強い警戒感は鳴りを潜め、むしろ中国への関与を強調する内容となっていた 30。労働党のジュリア・ギラード政権はまた、国防費の削減を決定し、その結果豪州の国防費のGDPに占める割合は第二次大戦後最も低い水準となった 31。

その前提には、米国の力の優越や、地域に対する米国の永続的なコミットメントに対する豪州政府の根強い信頼感があった。ギラード政権は米国のアジア太平洋「リバランス」政策を熱烈に支持し、ダーウィンへの海兵隊の受け入れ等を決定した。また自由党政権誕生後の2016年に発表された国防白書も、南シナ海や東シナ海における中国の力を用いた一方的な現状の変更に強い警鐘を鳴らしつつ、「米国が地域において突出したグローバルな軍事パワーであり、豪州にとっての最も重要な戦略パートナーであり続ける」との見通しを示していた 32。白書が発表された前年には、南シナ海近郊で豪州海軍と人民解放海軍による実弾演習が行われるなど、豪中間の良好な関係は依然として維持されていた 33。

そうした豪州の楽観的見通しは、2017年1月の米ドナルド・トランプ新政権の誕生と、その後の米中対立の激化によって、根底から覆された。豪州国内では、トランプ政権の登場により米国の地域関与や豪州への防衛コミットメントがもはや自明ではなくなったとの観点から、いわゆる「プランB」と呼ばれるより自立した防衛体制の構築や、米国以外の地域諸国との関係の強化を求める声が強まった 34。

豪州の米国への信頼が低下する中で、対中関係も加速度的に悪化していくことになる。2017年のアジア安全保障会議（「シャングリラ会議」）で基調講演を行ったターンブル首相は、中国の南シナ海における軍事化を「アジア版モンロー・ドクトリン」になぞらえ、厳しく非難した 35。中国はまた、南太平洋地域における影響力を着実に拡大していた。さらにその頃から明るみとなった中国共産党による豪州政治への組織的な「干渉」は、それまで安全保障コミュニティを中心に語られていた「中国脅威論」を、国民レベルにまで浸透させる役割を果たした。2020年初頭に中国から発生した新型コロナ・ウィルスの蔓延とその後の豪中間の軋轢により、両国の関係は1972年の国交樹立以降最低レベルに悪化した 36。

こうした中、2020年7月に豪州国防省が発表した『戦略防衛アップデート』は、米中間の戦略的競争の激化やパンデミックにより急速に悪化する戦略環境を踏まえ、豪州の戦略的関心をより近隣地域に向けると共に、継続的な国防費の拡充と、長距離打撃能力の強化や極超音速兵器導入の検討を含む、防衛力の大幅な拡張を掲げた 37。アップデートはまた、豪州に対する通常戦力による攻撃が発生するまでに10年間の「警戒期間」が存在するとの従来の前提が、長距離兵器の発達やサイバー攻撃といった新たな脅威の台頭により「もはや適当ではなくなっている」との見方を示したのである 38。

こうして、中国が急速に軍事力を強化し、地域における米国の力の優越がもはや自明ではなくなる中で、それまで米国の力によって「蓋」をされていた豪州にとっての中国の脅威が、急速に高まっている。豪州の中では、インド太平洋地域で軍事的プレゼンスを広げる中国を、豪州にとっての直接的な脅威として捉える見方も広がりつつある 39。米中間の戦略的競争が激化する中において、豪州にとっての「アジアの脅威」が、再び頭をもたげているのである。

おわりに

以上豪州の対中脅威認識をやや急ぎ足で振り返ってきたが、そこからは以下の一般的特徴が指摘できる。第一に、豪州の脅威認識が、地域の戦略環境によって大きく左右されるということである。そもそも自国で国土を守る能力に不安を持つ豪州は、いったん安定的な戦略環境が崩れた場合、他国からの脅威に対して急速に脆弱となる。だからこそ豪州は、緊密な対米同盟の維持やアジアへの関与政策を通じて、自国にとって望ましい戦略環境の維持と強化を積極的に図っていた。

そこにおいて鍵となるのは、地域における米国の力の優越の維持である。豪州による対中関与政策は、あくまでも中国が米国主導の秩序を受け入れるという米中和解以降の構図のもとで可能となった。それゆえ中国の力が強まり、米中間の「競争」が強まるにつれ、豪州の対中認識が厳しくなるのは必然であった。近年の豪州の急速な国防力の強化は、そうした地域において米国の優位が失われることに対する「焦り」を反映したものと言える。

第二に、地理的な特徴である。豪州にとっての直接的な脅威は、第一義的には東南アジアやその近隣地域（南太平洋やインド洋南東部）から生まれる。無論、豪州は朝鮮半島有事や台湾海峡危機といった北東アジアの有事にも強い関心を示しているものの、それらは主として対米同盟というフィルターを通して見られる傾向にあった。これに対し、中国による南シナ海の軍事化や、南太平洋における影響力の拡大は、より豪州の安全保障に直結した問題として扱われる傾向にある。

だからといって、豪州にとっての北東アジアの戦略的重要性が低いわけではない。むしろ、そこにおける事態が米豪同盟や地域の米国の力の優越に関わる限りにおいて、北東アジアは豪州の戦略的関心であり続けるであろう。また近年の長距離打撃能力やサイバーといった技術の発達により、豪州にとって「距離」はかつてほど意味をなさなくなっているとの見方もある 40。それでも、厳しさを増す戦略環境の中で豪州がより近隣の地域に目を向け始めていることからも分かる通り、地理は豪州の安全保障観や脅威認識を考える上で、依然として重要な要因である。

最後に、豪州の脅威認識におけるイデオロギーや心理的側面の重要性である。冷戦期の豪州の対中認識には、多分に誇張や誤解ないし人種的偏見に基づくものが存在したことも指摘される 41。これに対し冷戦後の対中脅威認識は、中国の物理的な能力の伸長に根差しているという意味で、より現実主義的観点に立ったものである。とはいえ、中国による国内政治への「干渉」疑惑や人権問題に対する豪州側の強い反応は、こうしたイデオロギー的要素を抜きに理解することは不可能であろう。中国は豪州にとっての地政学的な脅威であると共に、豪州の信奉する「価値」そのものへの脅威として捉えられているのである。

*本稿は執筆者個人の見解であり、防衛省もしくは防衛研究所を代表するものではない。

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